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「生活感がない」は、ほめ言葉 地方都市でもドラマに出てきそうな家を
「生活感がない」は、ほめ言葉 地方都市でもドラマに出てきそうな家を 愛媛県を中心に、スタイリッシュ&シンプルな「上質モダン」をベースに、「自分らしさ」を感じられる唯一無二の暮らし方を提案している建築家ユニットArchi est。シンプルモダンテイストを得意とする鶴田さんが手掛けた「Attractive House」は、アートの息遣いを感じさせてくれる、まさに魅力的な家だ。
鶴田 新 つるたしん Archi est(アーキエスト) 愛媛県 松山市
建築家にとっての不毛の地で デザイン性の高い住宅を 愛媛県松山市。日本最古の名湯といわれる道後温泉、正岡子規や夏目漱石ゆかりの地としても名高い、四国を代表する街。四国最大の人口を有する松山は、実は建築家にとって「不毛の地」といえるのだという。その理由の1つは、愛媛をはじめとした四国全体にもいえることだが、建築家の数が他の地域に比べて少ないということ。そのせいもあってか、家づくりはハウスメーカーや地場のビルダー・工務店に依頼することが当たり前で、一般の人が自邸の設計を建築家に依頼するということはごく稀なのだという。そのため立ち並ぶ家々は立派であっても、デザイン性に乏しくどこか画一的だ。
そのような状況にある松山市の住宅街に、ひときわ異彩を放つ黒い建物がある。この家の前を初めて通りかかった人は思わず立ち止まり「これは一般の人が暮らす家なの?」と思うことだろう。実はこの住宅、Archi estの鶴田さんがつくった自邸「AttractiveHouse」だ。
松山市に生まれ育った鶴田さん。没個性ともいえる地元の住宅事情を憂い、高いデザイン性と自分らしさを兼ね備えた住宅を提供したいと、同じく愛媛県出身の大学の先輩である上田さんと共に、Archi estを立ち上げた。鶴田さんは、柔らかさや温かみのあるテイストを得意とする上田さんとは対照的に、シンプルでスタイリッシュなテイストの匠。このAttractive Houseは、鶴田さん家族が住む家でもあり、鶴田さんの家づくりの粋を極めたモデルハウスのような存在でもある。
交通量が多い道路に面して、焼杉の黒塀で閉じたAttractive House。2枚の黒塀の隙間は、玄関に光をもたらすとともに、夜になると照明でスリット状に照らされるという。
2つの箱がくっついたような構造。プライバシーに配慮し、窓をなくして玄関も奥に配置。玄関までのエントランスは、雨に濡れない自転車・バイク置き場に。黒で統一され窓もない外に閉じた外観はデザインとプライバシー、実用性を兼備
この家でまず驚かされるのは黒い外観。黒は黒でも、その素材は、焼杉、ガルバリウム鋼板、コロニアルと使い分けられていて、光の当たり方や見る角度などで、いくつもの色合いを感じさせてくれる。
また、この家には道路に面した側に窓がなく、さらには玄関扉すら見当たらない。もちろん、換気口や配管すら見せずスッキリとした外観で要塞のような「外に閉じた建物」になっている。
「面を見せることを意識した建物にしました」と鶴田さん。この色調の統一や、すっきりとした外観で、シャープさや重厚感が生まれ、高いデザイン性を実現した。
しかしこの外観としたのは、デザイン面からだけではない。「この家のすぐ近くには、バイパスが走っています。敷地の北と西の2方向の道路は、道幅は狭いものの、抜け道として利用されることもある交通量の多い道なのです」と鶴田さん。
こうした事情から、まずはプライバシーに配慮し、行き交う人や車からの視線に晒されないよう、窓はなくし玄関も奥まったところに配置した。
さらにこの家は、北側には駐車スペースを、西側には玄関やトイレ、納戸などを配置している。つまり、リビングや居室など、建物の中心となる部分を敷地の南東寄りに配置することで、道路からの距離をとり、騒音から守ろうと考えたのだ。
「奥まった玄関の前は、アプローチでもあり、自転車やバイク置き場でもあるんです。それらを雨に濡らさずに置いておけます」と鶴田さん。
高いデザイン性ばかりでなく、プライバシーの確保や騒音の解決、さらには実用性も兼ね備えてしまう鶴田さんの実力には驚かされる。
ドラマに出てきそうなホテルライクな上質空間。生活感がない空間で子供を含む家族4人が暮らしているという。
キッチンは、あえて天井を低くすることで、吹き抜け空間のリビングがより広さを感じさせる。階段の手すりも宙に浮くようなデザインでスッキリした空間に来訪者に「この家を売ってくれ」と言わしめたドラマに出てきそうな上質空間
この外に閉じた要塞のような家は、「室内も美術館のように薄暗い雰囲気なのだろう」と思うかもしれない。しかしその予想は見事に裏切られる。リビングの扉を開けるとその先には、驚くほど明るい空間が広がっているのだ。思わず「おおー」と声を上げそうになる。
南面に設けられた大きな窓は、吹き抜けで天井まで続いている。そこから差し込む光は、白壁に反射し、室内を柔らかく照らしている。
しかも、ただ明るいのではない。グレーの石のような壁やダイヤの形の積層フローリング、趣味の良いインテリアなどが落ち着きをもたらし、上質な空間としている。
高級ホテルやテレビドラマに出てきそうなラグジュアリーさを感じる。この家を訪れた人から「この家を売ってくれ」と言われたこともあるというのも納得だ。
このホテルライクな空間は、鶴田さんが好きなテイスト。それまで一般的なマンションで暮らしていたという鶴田さん。自邸は、自らが好きな空間を実現するとともに、自分の建築スタイルを実際に体験してもらう場とすることも狙った。
「実は、この家の詳細は妻にも言っていなくて。出来上がって初めて見せたときに、『わぁー』と驚いていました」と鶴田さん。この空間を訪れた人の多くが「生活感がない」というのだとか。この言葉は鶴田さんにとっては最大級の賛辞と言えるだろう。
しかしここは、ホテルやドラマのセットとは違う一般家庭。生活をしていく上で様々なスイッチやコンセント、コードなども出てきて、ごちゃつき、生活感はどうしても出てしまうもの。大人だけの住まいであれば、美のために多少の不便さを許容することはできるかもしれないが、ここには小さな子供もいるのだ。
では、生活感をなくすために鶴田さんはどんな工夫をしたのだろう。
まず1つめは、「公私」のゾーニングの切り分け。リビングダイニングはパブリックな空間。一方で2階や水回りなどは家族のプライベートゾーンとして、来客から目につかないようにした。また、随所に収納を設け、モノを外に出さないようにもしている。
ここまでは、一般的な住宅でもよくやる手法。しかし鶴田さんはさらに生活感を出さないアイデアをいくつも盛り込んだ。
まずはスイッチ類やコンセントの位置。それらをダイニングテーブルの下や、鉢植えランプの置物の影になる位置に置き、目立たなくさせた。一般的な家づくりであれば、便利な位置やとりあえず部屋の四隅に設置しておきがちだが、鶴田さんは予めインテリアの何をどこに置くかを想定し、スイッチ類の位置を決めたのだ。
「照明のスイッチは、植栽で隠れるところに1つだけ設けて、他は階段奥のスペースに集約しています。また、インターフォンや窓の開閉、床暖のスイッチは、キッチン奥の目立たない場所にあります」と鶴田さん。
またテレビのコードも壁の中を通し、逆サイドの壁に設けた棚に収納されたデッキとつなげたという。リモコンが効くように棚の一部だけガラス張りとなっているのだ。
こういった生活感を出さない様々な工夫は、訪れた人から「とても参考になる」とやり方を聞かれることも多いのだという。とはいえ、一般家庭ではここまで徹底して作り込むことは難しい。あらかじめ生活スタイルを思い描き、インテリアの配置まで細かく想定した上で位置を決めていくのだ。何もないところから細かい計算ができる鶴田さんだからこそなせる業といえるだろう。
地方都市においては、この鶴田邸のような家はテレビの中や一部のお金持ちだけが成し遂げられる、遠い世界のように感じられるかもしれない。しかし鶴田さんは、子供もいる家庭でこれを実現し、実際に生活している。憧れだった暮らしを実現可能なものとしたのだ。
鶴田さんの家は、モデルハウスとして見学可能。このAttractive Houseは実際に訪れてこそ、その魅力を最大限に感じることができる。
リビングに足を踏み入れると、閉じた要塞のような外観とは一転。窓からの光が白壁に反射し驚くほど明るく開放的な空間となっている
スイッチやコンセントの位置は、あらかじめ生活スタイルやインテリアの位置などを考慮し、集約したり目立たない場所に配置することで、生活感を出さない工夫を凝らした。
プライベートゾーンである水回りは、白色で清潔感を演出。
LDKの上部は吹き抜けに。天井まで続く上部の大きな窓には、フィルムを貼ることで、光は通すものの、外から中の様子がわからないようにする工夫も。
間取り図
1F間取り図
2F間取り図
基本データ
作品名:Attractive House
施主:T邸
所在地:愛媛県松山市
家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:172.99㎡㎡
延床面積:117.47㎡㎡
予 算:3000万円台
鶴田 新(つるたしん)
Archi est(アーキエスト)
愛媛県 松山市
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